モノ作りの基礎ブログ

モノづくりの基礎を書いたブログです。

樹脂成形の基礎知識!プラスチックの材料?

f:id:momotaitai:20200710170423j:plain


皆さんの日常生活においてプラスチック(樹脂)製品は周囲を見渡しても必ずと言っていいほど生活の一部となっています。家の中を見渡してもプラスチック製品は数々あります。

例を挙げると、テレビの外枠や土台、リモコン、パソコン…あげるときりがないくらいのプラスチック製品が出てきます。では、実際にはプラスチック製品と言ってもどのような材料を使ってどのように加工していくのでしょうか?

今回は、プラスチック(樹脂)とはという基本的な材料と加工方法についてやっていきたいと思います。

 

 

プラスチック(樹脂)って?

実用プラスチックの歴史は、1870年のセルロイドの工業化に続き、1909年にベークライトの名前で知られるフェノール樹脂の工業化がプラスチックのスタートとなりました。

プラスチックの実用化が始まったころ、天然樹脂(松やになど)とよく似た性質と外観を持ち合わせていたことと、人間の手によって合成させれた樹脂材料のことを『合成樹脂』とも言われるようになりました。

プラスチックの原料としては、主に石油の蒸留によって得られるナフサと呼ばれるものです。

 

ナフサとは?

ナフサは、原油を熱することで出来る原料です。原油を350度の温度にて熱し蒸留塔へ流し込み、沸騰する温度を利用して成分を分けていきます。

沸点が35~180度で、ガソリン、ナフサになります。

沸点が180度~240度で、灯油、ジェット燃料となります。

沸点が240度~300度で、軽油となります。

 

ナフサには数々の化学反応を利用したモノリ―(単量体)と呼ばれる小さな分子を作って重合技術によりボリマー、それは高分子と呼ばれる長いチェーン状や網状の分子を作り上げます。プラスチックの原料はこの集合体となります。ナフサには、更に800度以上の熱を加えることでエチレンプロピレン(気体)やベンゼン(液体)などが作れらます。これらは、プラスチック、合成ゴム、化学繊維などの石油製品と呼ばれる原料になるので石油化学基礎製品とも呼ばれています。

 

この状態では、液体や気体の低分子となるため、これらを化学反応させて複合化します。それらを化学反応させることでプラスチックの原料が出来上がります。この状態では粉状やかたまりとなっているので取り扱いが難しいので加工しやすくするために添加剤などを加えて、ペレット(米粒)にして成形工場などに供給されていきます。

このペレットが成形をする際に様々な製品へとなっていくのです。

このペレットには、着色などがされていないためナチュラル(白っぽい、無色)と色が着いてないので、着色剤などと混ぜ合わせることで色を着けることができます。

 

プラスチック材料の種類は?

プラスチックには、熱硬化性(サーモセット)と熱可塑性(サーモ)の2種類に分けられます。いったん熱を加えて加工され硬化するとその後に熱を加えても硬化しない熱硬化性プラスチックと成形などで加工後に硬化した材料を再加熱し冷却を繰り返すことで流動性と硬化を繰り返す熱可塑性プラスチックとなります。

簡単に例えると、熱硬化性プラスチックは、卵を茹でると固まり茹で卵となります。その後、いくら熱をかけても形は茹で卵のままの状態となるのが熱硬化性プラスチックとなります。熱可塑性プラスチックは、チョコレートを例にすると、熱を加えることでチョコレートはやわらかくなり、形が変わります。その後に、冷蔵庫などで冷やすと固くなり、また熱を加えるとやわらかくなります。それを繰り返すことができるのが、熱可塑性プラスチックとなるのです。

 

現在主に実用としては、汎用プラスチック、エンジニアプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチックに分けるとわかります。 

汎用プラスチックとは?

汎用プラスチックは、価格が安く主に日用品や梱包用、農業用などに使われております。

  • 塩化ビニル(PVC)
  • ポリエチレン(PE)
  • ポリプロピレン(PP)
  • ポリエチレン(PS)
  • AS樹脂(AS)
  • ポリ塩化ビニリデン(PVDC)

 

エンジニアリングプラスチックとは?

エンジニアリングプラスチックは、強度や剛性が高く、力のかかる用途などにも利用できるように改良されたプラスチックです。主に、機構部品や構造材などに使われています。

※ABS、PMMA、PETは汎用プラスチックに入る場合もあります。

スーパーエンジニアリングプラスチックとは?

 スーパーエンジニアリングプラスチックは、エンジニアリングプラスチックの中でも特に耐熱性に優れた材料となります。多くはコストが高く耐熱性や自己潤滑性などに優れた特徴を持ったプラスチックとなっています。

熱硬化性プラスチック材料の種類と特徴

 熱硬化性は、一度熱を加えて冷やすとその後いくら熱をかけても形状を保ったままの製品となります。例えば、電子レンジなどでも使うことのできるプラスチック製のお皿などが代表的な身近なものではないでしょうか。

 

フェノール樹脂(PF)

フェノール樹脂は、世界で最初に実用化されたプラスチックです。

良く言われているのが『ベークライト』と呼ばれています。

 フェノール樹脂の原料は、赤褐色をしています。天然樹脂の松やになどに似ています。

化学的にが合成された樹脂として合成樹脂と呼ばれています。

機械的性質・耐熱性・電気絶縁性などに優れていますが、赤褐色のため他の色への着色性が悪い事と、においがあるのがこの原料の欠点です。製品単体では、強度がないため強化材として木紛やパルプなどを混ぜ合わせて成形します。成形方法としては、圧縮成形で行われます。主な製品例として、鍋の取っ手などに使われています。

 

ユリア樹脂(UF)

ユリア樹脂は、低コストで使用できる熱硬化性樹脂となります。

尿素ホルムアルデヒドを反応させて作るプラスチックです。

原料は無色のため着色性に優れています。フェノール樹脂と同様に単体ではもろいため、木粉やパルプなどを混ぜて成形します。

 

メラミン樹脂(MF)

メラミンは、白い結晶とホルマリンを原料としたプラスチックです。

ユリア樹脂と性質が似ており、陶磁器や大理石のような外観をもち、ユリア樹脂より耐久性に優れている樹脂です。

ただし、硬質で耐熱性や、耐薬品性、電気絶縁性に優れてはいますが、もろくて衝撃に弱いという弱点があります。

成形方法としては、圧縮成形を用いります。

 

不飽和ポリエステル(UP)

 不飽和ポリエステルは、若干黄色をした透明の粘りがある液体です。強い刺激臭があるのも特徴です。これに、触媒と硬化促進剤を組み合わせて硬化させます。一般的にプラスチックは、成形の際に加熱、加圧させ加工するのに対して、常温、加圧なしで成形できるのが特徴です。樹脂単体では、強度が弱いので、ガラス繊維で補強したFRPとして使用されます。

 

エポキシ樹脂(EP)

エポキシ樹脂は、硬化剤と変性材などを組み合わせて使用します。組成と硬化剤の種類によって物性が多様に変化するのも特徴の一つです。そのため、エポキシ樹脂が単体で使われることはほとんどありません。

常温でも固めることができるので、寸法安定性や耐水性・耐薬品性・電気絶縁性に優れていることから、電子回路の基盤などにも多く使われています。この樹脂のもう一つの特徴として、強い接着力があり、接着剤・塗料・積層剤に使用されています。

 

熱可塑性プラスチック材料の種類と特徴

 熱可塑プラスチックは、自動車・家電・雑貨などで使用されているプラスチック製品です。特徴は、前項にも書いたように一度、固まらせても再度加熱することで再度加工が可能なプラスチックです。可塑性プラスチックの種類について解説していきます。

 

ポリエチレン(PE)

ポリエチレンは、ポリ塩化ビニルと並んで生産量の最も多い樹脂です。安価であのと汎用性があることから多く使われています。比重は0.92、軟質は0.96と小さいので、水に浮くことができるくらい軽く、原料は半透明・乳白色しています。特徴としては、軽い、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性に優れており、熱や光などによる劣化を起こしやすいこと、対候性に弱い部分があります。

高密度ポリエチレンHDPE)は、不透明で剛性があることから、スーパーのレジ袋やバケツ、灯油缶などに使われている樹脂材です。

低密度ポリエチレン(LDPE)は、透明なフィルムなどの梱包材やラミネートなどに使われている樹脂材です。

成形方法としては、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形などに用いられています。

 

 ポリプロピレン(PP)

ポリプロピレンは、比重が0.9とプラスチックの中でも最も軽く、半透明、乳白色で性質的にもポリエステルに似ているが、ポリプロピレンは、耐熱性に優れており、硬質で引っ張り強度が高いのが特徴です。ヒンジ効果といい、繰り返しの折り曲げ強度が高く、蝶番のない、ふたや本体が一体になっている容器などが製造可能となります。また、耐熱温度が高いことから、成形後の変形が少ないのも特徴の一つです。

荷造り用のヒモや、パレット、などにも使用されています。また、耐熱性に優れているので、自動車の内装部品などにも多く使われています。

成形方法としては、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形などに用いられています。

 

ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)

ポリ塩化ビニル樹脂は、俗にいう塩ビと呼ばれており可塑剤の調合のやり方によって軟質にも硬質にもなることができます。耐水性・耐酸性・耐アルカリ性・耐溶剤性を兼ねそろえたプラスチックです。塩ビは、価格が安く、生産量も多いので、水道管や雨どい、ロープなど幅広く使われています。

 

ポリスチレン(PS)

ポリスチレンは、緩衝材などに多く使われている発泡スチロールなどのプラスチックです。電気絶縁性がよく、透明性が高く、着色性もよく、成形性が高い特性を持っています。価格的にも安価となってます。ただし、傷つきやすく、割れやすくなっている難点もあります。カップ麺の容器やCDケースなどに使われています。

 

AS樹脂(AS)

AS樹脂は、ポリスチレン系の一種で、ポリスチレンの欠点である耐熱性、対候性、傷つきやすさを改良するためにスチレンとアクリロニトリルを主成分として作られたプラスチックです。

 

ABS樹脂(ABS)

 ABS樹脂は、ポリエチレン系樹脂の一種で、AS樹脂同様にポリエチレンの欠点を補うために、ブタジエンを混合させた樹脂です。アクリロニトリル(A)・ブタジエン(B)・スチレン(S)の3つの頭文字からつけられました。不透明品が多く、耐薬品性・耐衝撃性・表面外観・印刷性などに優れています。有機溶剤に弱く、溶けたり、ひび割れが生じやすい弱点があります。自動車部品・電気部品・家庭用品・おもちゃなどに使われています。

 

メタクリル樹脂(PMMA)

メタクリル樹脂は、アクリルまたは有機ガラスと呼ばれることもあります。光線透過率が90~92%、屈折率が1.48~1.5とクリスタルガラスに匹敵するくらいの数値であり、透明性、耐候性に優れています。光沢があるのですが、非常に傷が付きやすいのも特徴です。熱加工性がよく、加熱して曲げても白化しないのもメタクリル樹脂の特徴になります。着色性や成形性が良いのプラスチックです。自動車のレンズなど透明性を生かした製品が多くなっています。

 

ポリアセタール(POM)

 ポリアセタールは、乳白色、不透明でプラスチックの中でも、比重が大きく強靭で弾性に優れたプラスチックです。摩擦係数が少なく、耐摩耗性に優れていて、自己潤滑性があるので機構部品として使われていることが多いプラスチックです。また、機械加工性に優れている為、切削用素材として使われています。そのほかに、機械用歯車や、軸受け・カムなど強度の必要な部品などにも使われています。

 

ポリアミド(PA

ポリアミドは、俗にいうナイロンと呼ばれるプラスチックです。ナイロンは、分子構造から6、66、610などと呼ばれています。密度当たりの強度は、金属と同じくらいの性質をもっているプラスチックです。自己潤滑性、耐摩耗性に優れているので機構部品に多く使われています。ただし、吸水性が非常に高く、ナイロン6では吸水力が10%に達するため寸法変化が起きるので注意が必要です。

 

ポリカーボネート(PC)

 ポリカーボネートは、最大の特徴として、強靭な耐衝突性に優れています。また、透明で光沢があり軽いという特徴もあります。耐衝撃性・耐熱性・不燃性・電気絶縁性に優れている一方で、アルカリ剤や溶剤に弱く耐薬品性が良いとは言えない部分もあります。CDや自動車のレンズなど多くの製品に使われているプラスチックです。

 

ポリエチレンテレフタレート(PET)

ポリエチレンテレフタレートは、ペットボトルの材料と言えばみなさんおなじみです。透明性、強靭性、耐薬品性、ガスバリア性に優れており、絶縁材料、光学用機能性フィルム、サラダやケーキの容器、さらに醤油、酒類、飲料水のボトルなどに使用されています。

 

プラスチック材料のまとめ

プラスチックの材料のまとめとして、製品を製造していく中で材料の選定など実際製品として使用していく用途によって使い分けていく必要があります。また、樹脂の材料の特徴によって、使用可能なものや不適合なものなどに分けられていきます。

私が実際に働いている会社では、熱可塑性プラスチックの製造を行っております。製品によってもPPであったりABSであったりと使用する品質要求によって使い分ける必要があります。プラスチックは、身近なものであるものです。もし、プラスチック製品にご興味のある方は参考にしてもらえれば幸いです。